まだ中学生。

中学生のまま大人になりました。ご迷惑おかけしてます。

NURO光の光と闇(マンション編)

 「どんなに速い光回線も、俺の前では止まって見える」(tochiru語録より)

 

NUROこそが最強のインターネット回線!?

 2019年夏、その日私はいつになくイラついていた。原因は「スプラトゥーン」というオンラインゲームだ。このゲーム、キャラクターも世界観もすこぶるキュートなのに、オンライン対戦はまさに死屍累々の戦場。その日も私は「ぼくうまいよ」というハンドルネームの小学生にバチボコに狙い撃ちにされていた。私以外にもターゲットはいるはずなのに、なぜか親の仇ばりの勢いで執拗に追いかけてくる「ぼくうまいよ」。

 私は大人なので、たかがゲームでハメ殺しにされた程度では全く怒らないが、連続5回負けた時に反射的にコントローラーを投げてしまい、このままではソフトよりも高価なプロコントローラーが壊れてしまいそうなので、持ち前の分析力で敗戦原因を解析した。 

  昨今のオンラインゲームはとにかく当たり判定がシビアで、100分の1秒の操作の遅れが即死につながるのが常。当時契約していたフレッツ光のping値(応答速度、一般的な回線速度とは異なる)を確認したところ、100msとかいうクソみたいな数値。回線速度も4.7MbbsとかADSLか。

 それは勝てないはずだ。私の放った弾は0.1秒遅れで「ぼくうまいよ」に届いていた(かもしれない)のだ。こうして「回線が悪いから勝てない」という小学生以下のクールな結論を導き出し、私は我が家の光回線をフレッツ光からNUROへと乗り換えることにした

 

しかし軽く考えていた程、NURO光への道は甘くなかったのである。

 

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マンションフレッツの残酷さよ

 

 当初は今までのようにサクっと乗り換えを考えていましたが、以下に示すようにNTTフレッツ系とはかなり勝手が違い、我が家では結果的に申し込みから開通までに3ヶ月を要してしまった。

 

ハードル1

「対応都道府県内でないと導入できない」

 2020年1月時点の対応エリアは以下の通り(対応都道府県内であっても端っこの方は非対応であったりするので、まずはこちらで確認)。対応エリアは年々広まってきており、現在非対応エリアであっても今後対応エリアとなることもあるそう。

 

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ハードル2

「マンションタイプはちょっと複雑」

 現在マンションで申し込みできるNURO光の接続サービスは

  1. NURO光 V2 G(通称:マンションミニ) ←早い
  2. NURO光 for マンション ←やや遅い

の2種類がある。雑にいうと、「マンションミニ」は自分だけの専用回線、「NURO光 for マンション」はフレッツ光と同じく同一マンション内の他住戸との共有回線。より高速な回線を手に入れたいのならば当然「マンションミニ」がベターだが、すでに自分のマンションに「NURO光 for マンション」を導入している他世帯がある場合は、「マンションミニ」として契約することはできない(自分のマンションがどちらに該当するかはこちらから)。

 

ハードル3

「マンションミニの回線工事は原則大家さんの事前許可が必要」

 NUROは、ほとんどのマンションに敷かれているNTT光回線とは別に、宅内の光コンセントからマンション全体の主配線盤(MDF)まで別の光回線を引く必要がある為、事前に大家さんの許可が必要となる。

ただ、この話は「MDF!?なにそれおいしいの?」的な大家さん、管理人さん、及び無能な不動産屋のお兄さんに言っても通じないので、NUROがあらかじめ用意してくれている説明資料をマンション管理会社の不動産部に送って事前に許可を得ましょう。後述するように、比較的新しいマンションならば、許可を得ないで開通することもできるが、揉めると後々ややこしいので、やっておいた方が吉。

 

ハードル4

「工事が2回必要、しかも工事の予約はすぐには取れない」←※重要

 これはNURO特有のややこしさだが、開通までには回線工事が必ず2回発生する。理由は、

  1. 宅内からマンションの主配線盤(MDF)まではNURO側の業者が工事(宅内工事)
  2. 最寄りの電信柱からMDFまでの工事及び上記のNURO配線との接続はNTT側業者の工事(屋外工事)

という具合に工事区画が分かれている為。

そもそもNURO光というサービスはNTTが敷設した中で使っていない光回線(ダークファイバ)を借りて行なっているサービスなので、このような非効率な仕組みになっているようだが、この辺やはり旧電電公社の闇を感じざるを得ない。しかもこの2つの工事は同一日にできない上、それぞれ工事の予約が(2019年当時は)1ヶ月先となっている為、開通までは最短でも2ヶ月は見ておいた方がいい。

さらに悪いことにNURO側から、「NTTの宅外工事業者はMDF(が格納されている箱)の鍵を持っているから管理人さんがいなくても大丈夫」という言葉を勘違い*1してしまい、NTT工事当日になって管理人さん不在でMDF室に入れないというオチまで付けてしまいました。これでさらに+1ヶ月。

 

ハードル5

「たまに途中で工事不可になって終了する」

これは住んでいる物件にもよるが、1回目の宅内工事の際、光ファイバーの通る電線管の直径が細すぎてNURO光のケーブルが通せず、詰む場合がある。中でも最悪なのは、宅内工事はいけたものの、2回目の工事でNTT側が工事不可とか言ってくるケース。
uma-gimon.com

 

「そんなん工事する前に調べとけやゴルァ」と言いたくなりますが、やはり旧電電公社の闇でNTTがダメといったら何が何でもダメなんだそうです。特に古いマンションで前述のダークファイバーがないような物件では、最寄りの物件から新たに光ファイバーを引かなければならない為、工事不可となる可能性が高いそう。

 

宅内工事の様子↓

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光コンセントからメッセンジャーワイヤを通す

 

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左に出ている細い灰色の配線は既存のNTT光ケーブル

 

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メッセンジャーワイヤに導かれて通ったNURO光のケーブル(白色)

 

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完成

部屋内にNTTの光コンセントがある場合は上のような「光ローゼット」というフリスクの箱みたいな物を両面テープで貼り付ける必要があって、ややブサイクな仕上がりに。既存の光コンセントがない場合には電話線の所に「光アウトレット」というスッキリタイプのコンセントが付く。

また、ローゼットから先のホームゲートウェイ(≒ONU)までの配線も同時に引くため、ホームゲートウェイをどこに置くかも事前に決めておく必要あり。

宅外工事の様子↓

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宅外工事:中に見えるのがMDF盤

 

そしてついに発揮される、NUROの本領

そんなこんなで導入までに約3ヶ月、旧フレッツ回線の契約もNUROの工事待ちをしてる途中で切れてしまった為、我が家は見事にインターネット難民に。家族から向けられる「ホレ見ろ言わんこっちゃない」という視線に耐えること1ヶ月、やっと開通です!

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無線でもこの速度!サイコー!


 

 はえー!やっぱはえー!今まで契約していたフレッツ回線とは比べ物にならない程の回線速度を叩き出すNURO。もちろんPing値も爆速、これで以前ネットゲームで私をいじめてきた小学生たちをバチボコにできる!見たか!!これが大人の怖さだ!!!

 

下りの回線速度も爆速な為、容量の大きな動画コンテンツのダウンロードも秒で終了、いやはや快適♪

 

しかしソッコーで通信不能になるとな

 開通して数週間、毎日叩き出される爆速回線速度にうっとりしていた私であったが、ある夜YouTubeを見ようとすると、アレ!?繋がらない。ホームゲートウェイをリセットしてみるもダメ・・・。

再び私に注がれる家族からの生暖かい眼差し。翌日すぐにNUROのサポセンに連絡を入れるとここでまたもや修理予約。しかもこの修理も導入工事と同じくNURO側とNTT側が別々に行うというクソ仕様。

NURO側の修理予約は翌週すぐ取れ、早速NURO側の業者さんが宅内回線の調査に来たものの、結局NURO側の設備に問題はなく、原因はNTT側にあるとの回答。んで今度はNTT側の修理予約を取ろうとするも、最短で2週間以上先・・・だと・・・!?かくして我が家は再びインターネット難民に返り咲き、家にいながらレンタルモバイルルーター(5000円/月)を借りるハメに。

 

通信不能再び

 その後は約半年間異は常なく使えていたNUROだったが、2020年5月再び通信不能に。コロナ禍による緊急事態宣言で在宅ワークを余儀なくされていたので、もうタイミング的には最悪。スマートフォンでZOOM会議してみたが、メンバーの顔が判別不能なほど小さくて1日で挫折。またまたレンタルモバイルルーターを課金。

修理の流れは前回と同じで復旧までに3週間。まさかNUROを導入して1年以内に2度も通信不能になるとは思いもよらず。今回はさすがに困った為、NUROのサポセンに連絡してモバイルルーター代金位は補償してもらえないのか問い合わせたが、回答は「通信できなかった日数に応じて月額利用料を日割りで返金」とキッパリ。ってかよく見てみたら契約の約款に

「通信障害とかでお宅がどんなに被害被っても、日割りの利用料しか返さへんで」

ってさりげなく書いてあった・・・。初回の通信障害の時は返金すらなかったから、こちらからサポセンに連絡しない限り、日割り返金もない模様。

 

 正直NUROを導入したらバラ色のインターネットライフが待っているぜウェーイ、とか思っていた私は救いようのないアホであった。そもそもYou TubeやNetflixといった動画配信サービスの4Kコンテンツを再生するのには25Mbpsもあれば十分なので、夜間の速度低下に目をつぶれば無理して乗り換える必要もなかったのかも。今では3回目の通信障害が起きないかビクビクしながら4年契約(後述)の満了を待つのみである。

2Gbpsというフレッツの2倍の通信速度と既存の光接続サービス並かそれより安い利用料金を武器に広告バンバン打ちまくりのNUROだが、導入は慎重に。

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まとめ

NURO光のメリット

  1. 通信速度が上り下りともに高速(我が家では40Mbps⇒400Mbpsに)。アプリのダウンロードやアップデートも高速。
  2. NURO光マンションミニはフレッツ系と違い専有回線なので、週末の深夜帯等のホットタイムでも速度低下がない。
  3. 「ping値」といったレイテンシが非常に優秀でオンラインゲームも快適
  4. 今後4Kを超えるコンテンツが出てきてもNUROの光回線があれば安心!?

NURO光のデメリット

  1. NTTのフレッツに比べて、導入プロセスがとにかく厄介&時間がかかる。
  2. 通信不能になるようなトラブルが頻発(我が家だけ!?)原因調査及び修理はNUROとNTTが別々に行うので、復旧までがとにかく遅い。
  3. キャッシュバック付きのプランは「2年契約」と見せかけておいて、導入工事費用は30回の強制分割払いなので、最低契約年数は4年。
  4. 賃貸に新たにNUROの回線を引いた場合、退去時には回線の撤去費用が発生する。
  5. 契約後、ソネット系列の代理店からの「ひかりTV」勧誘電話が頻繁にかかってくるようになる。

 

*1:NTT系列の工事業者さんが持っている鍵はアパートなどによくあるMDFボックスの鍵。ある程度の規模のマンションになると、MDFは弱電盤室という部屋に格納されているので管理人さんに鍵を開けてもらわないと宅外工事ができない