私的自宅ラーメン「かいざん」
「コップがぬるぬるしてるラーメン屋、だいたいうまい」(tochiru語録より)
テレビで豚骨ラーメン「一蘭」の味集中カウンターがコロナ禍に対応していて見事だというニュースをやっていた。
なるほど、確かにコロナ禍におけるラーメン店の目下の課題は、自店舗の「味集中カウンター化」と「持ち帰り対応」だ。有名ラーメン店も含めて様々な店が持ち帰り業態に参戦する中、やはり強いのは、コロナ前から持ち帰りをやっていた店舗。まさにコロナ禍の今は、持ち帰りラーメン黎明期なのだ。
しかしながら、まず皆さんにお伝えしなければならない残念な真実は、どんなに持ち帰りに熱心な店の持ち帰りラーメンでも、店舗で食べる味は絶対に超えられないということ。いつもの店で食べているラーメンは、その店で、その器で、出来立てを食べているからこその味であって、店の雰囲気、床・テーブル・コップのヌルヌル度、ラーメン出すときの親父の指がスープに浸かっているかetc...様々な要因全てひっくるめてその店の味なのである。
そんな中でも、店舗と持ち帰りの味の差を極力小さくしているラーメン屋こそが持ち帰りに適していると思う。
持ち帰りラーメンの雄、かいざん登場!
ラーメンかいざんは東船橋に本店のあるラーメンショップ系のお店(もともとはラーメンショップのボランタリーチェーンの一員だったが、現在は独自路線)。西船橋と新小岩にも支店があって、昔から全店舗で持ち帰りをやっている。
店舗に貼ってある「ラーメンウォーカーラーメングランプリ全国2位!!(2011年)」は昔の話過ぎて、いい加減止めとけよ感はあるが、ここのラーメンの素晴らしさは何といっても背脂の質の良さ。この香り高い背脂と豚骨醤油スープと酒井製麺の中太麺が合わさってトラック&タクシー運転手をはじめとする現場人間から広く支持されている。かくいう私も10年来のかいざんファンだ。
持ち帰りは3人前〜なのが若干ハードルだが、店舗と全く同じ全ての具材が付いたフルセットなので、その再現度は相当なもの。
かつては熱々のスープ3人前がまとめて巨大なナイロンポリに密封されて販売されていた為、持って帰る時に熱いわ、家に帰ってから1人前に分け直し→冷却→急速冷凍という果てしないプロセスを余儀なくされるわで散々苦労したが、最近では1人前ずつの個包装かつ冷凍された状態で販売してくれるので、より買いやすくなった。
しかも最近発覚したのだが、3人前1セットの持ち帰りラーメンを購入した人は、別途スープ250円、麺200円で自由に買い増しができるのだ。つまり3食以上であれば、具材は付かないものの、何食分でも買えてしまう。この買い増し制度は店舗の持ち帰りメニューには記載されていないが、実際店員さんに口頭で伝えれば、快く対応してくれる。我が家にはホームフリーザー様がいるので、毎月4人前、5人前、6人前と購入数が増えていっている。
他にも人気トッピングのネギを持ち帰ると、追加でネギだれの小ボトルを1個100円で追加購入できる。ラーメンショップのネギダレといえば「熊の手」と言われる謎の粉を混ぜこんだ秘伝の調味料だが、それを追加100円でサクッと売ってしまうお客様目線ぶり。
※2021.11追記:流石にネギダレ一本100円は大盤振る舞い過ぎだと中の人が気づいたらしく、150円に値上げ。
また、チャーシューもおいしく(1本600g/2000円,半分300g/1000円)持ち帰り可能なのだが、たいてい規定の量より大きめでちょっとうれしい。頼む際に脂身のない部位(赤)か脂身ありの部位(白)か聞いてくれるのも最高。注文する時に「チャーシュー白で」と言うと、なんだか通っぽい。
※2021.11:流石に1本2000円は安過ぎと中の人が気づいたらしく、1本2200円、半本1200円に値上げ。
ここ数年の持ち帰りラーメンのアップデートを主導している人物は、西船橋か新小岩の店長のどちらかだと踏んでいるのだが、相当のやり手である。
※2021.11:これは結構売れると中の人が気づいたらしく、持ち帰りラーメンセットは2100円に、持ち帰りかいざんラーメンセットは2700円に値上げ。
※2023.3 :持ち帰りラーメンセットは2300円、かいざんラーメンセットは2900円に値上げ。